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全日本ロードレース
第1戦茂木

宮崎敦選手レポート


満身創痍ながら3位表彰台ゲット!!!

マシンがフルモデルチェンジされ、バックアップするチームは昨年と同じのため、充実した体制にパフォーマンスアップされたハードの組み合わせで、大きな期待を秘めながら迎えることとなった2006年シーズン。しかし開幕1週間前に行われたマシン開発のためのテストで宮崎は転倒を喫し、右側の肋骨2本を折り、さらに1本の肋骨にはヒビが入るという怪我をしてしまった。

痛みのために体を動かすことの出来ない宮崎は自宅でサーキットへ出発する水曜日朝まで静養したが、とてもバイクに乗ることが出来るような状況ではない。通常は金曜から走行がスタートするが、今回は開幕戦ということで、木曜日に特別走行が行われる。そのため、水曜日に開幕戦が行われる栃木県・ツインリンクもてぎ入りをした。

今回のレースの周回数は長く18周で行われる。しかし木曜日の走行は、1周でも全力で走ることが出来ない。様子を見ながら周回し、今後どうするかはそれぞれのセッションを走り、対応していくことにした。特にこのサーキットは直線の後に90度コーナーがレイアウトされるといったストップ・アンド・ゴーのコース。ブレーキングがいちばん辛い宮崎にとって、コースレイアウト的にも厳しいものがあった。

そうしたこともあり、状況は実に厳しい。全力走行できないレベルで走行時間のラップを重ね、スケジュールを消化した木曜日夜だったが、折った肋骨部からは未だ内出血があり、その腫れと痛みのため、睡眠を取ることができない。徹夜で患部を冷やし、翌日の走行に備えるような状況だった。

金曜日の走行は1本目に様子を見ながら15ラップを消化。タイム自体は1分58秒673とまずまずで、全体の中で6番手に付ける好調さ。2回目は24周し、1分57秒868とタイムアップを果たし、6番手でこの日のスケジュールを終えた。状況を考えれば見事なタイムだが、痛みを抱え、様子を見ながらの周回のため、チームは余談を許さない状況であるのに変わりはない。唯一の救いは、肋骨をかばいながら走る宮崎の周回数が徐々に伸びつつあること。しかしそれは、走行後の内出血の腫れと痛みという大きな負担になる犠牲を払いながらのもの。とにかく無事にスケジュールを消化できるように、スタッフはそれぞれの仕事を着実にこなすしかなかった。そして宮崎は、肋骨をかばうあまり、右肩に大きな負担をかけたため、この部分に肉離れを起こし、これまで以上の痛みに耐えなければならなくなってしまった。

長い夜を過ごし、ほとんど睡眠が取れない状況の中、翌土曜日の予選を迎えた。

木曜、金曜と強風に見舞われ、ドライながら難しいコンディションだったが、土曜日は風も止み、暖かい中で行われることとなった。

B組で走行する宮崎は、1回目に1分57秒758で組3番手。続く2回目はさらにタイムアップし、1分56秒814で組2番手となった。この結果、総合4番手となり、フロントローからのスタートという好グリッド獲得に成功した。
宮崎選手

とてもマシンセッティングを行えるような状況ではないため、木曜からベースセッティングで走り続け、とにかく体をいたわって走ることが出来るライディング方法を探り周回している宮崎にとって、出ているタイムはもちろん重要だが、体がどれくらい耐えてくれるのか、それがなによりも重要だった。マシン差が少ない ST600クラスでは、少しでも出遅れて集団の中に埋もれてしまうと、他車と接触の可能性が非常に高い。そういう意味から言っても、フロントローというスターティンググリッドは非常にありがたいものだった。

雨が心配されたが、ST600クラスの決勝はドライコンディションでスタートとなった。まずまずのスタートを切った宮崎だったが、スタート直後にアクシデントがあり、赤旗中断。レースは再スタートされることとなった。

またしても宮崎は順調にスタートを切り、1周目を5番手で戻ってくる。6周目、トップを走る1台が転倒し、これで宮崎は4位に。宮崎のラップタイムは1分 57秒後半から58秒台。前を走るマシンが58秒台のため、徐々にその差が詰まっていく。その差がコンマ6秒となった9周目、3位のマシンが転倒し、宮崎は3位のポジションに上がった。しかし既に2位のマシンとの差は4秒。宮崎の後ろとも、7秒差となっている。

単独走行は、怪我を抱えている宮崎にとって、無理が利かないため非常にありがたい。

無事18周を走りきり、この状態の中で3位表彰台。状況を考えると予想以上の結果を獲得することが出来た。

宮崎敦「とにかく体調不良のため、レースを完走できるかどうか、最後まで予断を許さない状況でした。今回はレース展開を考えるだけではなく、とにかく最後まで痛みと戦いながら走り続けました。こうして最後まで走り続けることが出来たのは一重に、皆さんの応援の力だと思います。本当にありがとうございました。また去年、チームを移籍して一生懸命バックアップをしてきてくれているチームスタッフの頑張りにも今回の結果で少し応えることが出来たのが、自分としてはとても嬉しく思ってます。皆さん、本当にありがとうございました。次の筑波までには怪我をしっかり治し表彰台の真ん中に上がることが出来るよう頑張りますので引き続き応援、宜しくお願いいたします。皆さん、本当に暖かい応援ありがとうございました。」

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